吹奏楽の楽器の中で低音、土台を支えるチューバ。
チューバは見た目がデカくて、ガタイのいい男の人が吹くものっていうイメージもありますね。
しかし、実際には、小さな女の子も普通に演奏していますし、マーチングバンドではスーザをぶんぶん振り回してる女の子も普通にいます。
ただ、見た目通り、普通に吹いてても中々音が安定しません。
特に低音楽器のため、音の立ち上がりが遅く、アインザッツで音を出すとき遅く出ちゃう人もいます。
コントロールが難しいんですね。
そんなチューバですが、屋台骨的存在で、バンドの柱になる非常に重要な楽器です。
ま、重要じゃない楽器は吹奏楽に存在しないんですけどね^^;
今回は、初心者チューバ奏者のために
チューバ初心者はどんな練習をすれば上達するの?
チューバ経験者が悩んだ事とその克服法
について、経験者の方にインタビューしてきました。
チューバ初心者はどんな練習をすればいいの?
チューバの魅力は、あのバリトンボイスではないでしょうか?
魅力的なベース音は本当に気持ちのいいもので、バリチューバアンサンブルなども結構気に入って聞きに行きます。
それでは、チューバが、上達する為にはどんな練習をやればいいのでしょうか?
チューバ経験者の方に質問してきましたので紹介します。
ケース1(24歳・女性・経験年数:3年)
ロングトーン:マウスピースだけでB♭~HB♭までBPM60で8拍、その後楽器に付け同じことをする
タンギング:BPM60から始め1章節ごとに4部音符、8部音符、3連符、16部音符でBPM100まで
リップスラー
これを1時間ほど繰り返しました。
ケース2(28歳・女性・経験年数:7年)
ロングトーンB♭~B♭までテンポ60で8拍を1往復×5回。
ロングトーンB♭~F(基本のB♭から下の音)までテンポ60で4拍を1往復×5回。
ロングトーンB♭~F(上のB♭から上のハイトーン)までテンポ60で4拍を1往復×5回。
タンギングをテンポ60で4分音符、8分音符、16分音符でB♭~B♭まで1往復×2回。
スラー練習テンポ60で4分音符と8分音符を1往復×2回ずつ。
チューバは肺活量も必要で全ての音を支える土台になるので、芯が太いしっかりとした音を長く吹き続ける事が全ての基本になると思います。
なので、ロングトーンは毎日2~3時間は行っていました。
その後にタンギングやスラーなどの練習を行っていたので、トータルで4時間ぐらいかと思います。
ケース3(25歳・女性・経験年数:3年)
・ロングトーンB♭・C・D・E♭・F・G・A・B♭までをテンポ60・8拍を一日一回行いました。
・B♭音階を中心に(四分音符、八分音符、十六部音符、三連符、二拍三連符)のリズム感を身に付ける練習を行いました。
また、日替わりでその他音階、特にC音階やE♭音階やF音階等でもリズム練習を実施しました。
その際、半音階での上昇下降を行うこともありました。
・上記の音階でスラー、スタッカートを付けて練習もしました。
・全て合わせて1時間程度基礎練習を実施していました。
チューバは肺活量はかなり必要ですし、体力も必要です。
しっかりとした響く音を出すためには、やはりロングトーンが必要ですし、粒がきれいな音を出すにはリップスラーが必要です。
これは、金管楽器全般に言えることですので
是非意識して吹いてみましょう。
チューバ経験者が悩んだ事とその克服法
ケース1(24歳・女性・経験年数:3年)
●どんな悩みがあったのか
チューバでは、ハイトーンの時音が潰れる。低音のときに大きな音を出すと音が割れるような音が出てしまったりしました。
音の出し方の間違いで口がとても痛くなったり、顎関節症になってしまったりしてとても苦戦しました。
●その悩みをどうやって克服したのか
ハイトーンの件はアンブシュアを確認し、息遣い腹式呼吸の確認を1からし直しました。
低音で音が割れてしまう件は、BPM60で2小節ピアニッシシモから低音でロングトーン。そして、クレッシェンドしていき最後はフォルテシシモになるように、音が割れてしまわないようにお腹でしっかり支えながら練習しました。
そのとき、もう一人の人に手伝ってもらって腰を触ってもらい腹式呼吸が出来ているか確認してもらいました。
連符はBPM60からその曲の速さまで地道にできるまでやりました。
ケース2(28歳・女性・経験年数:7年)
●どんな悩みがあったのか
マウスピースが大きいので、スラーやタンギングがとても苦手でした。
音がつぶれてしまい、粒になって客席まで届きません。
また、基本的なB♭~B♭までは楽器も鳴りやすく、良い音がでますが、その音階の上や下の音は音が潰れてしまいます。
肺活量も通常の音階より多く必要とするので、長く音を続けるのも難しかったです。
曲を演奏する時、チューバ等の低音楽器はテンポ刻みをする事も多いのですが、テンポをキープする事も大変でした。
●その悩みをどうやって克服したのか
芯のある音を鳴らさないとタンギングやスラーなどもできないので、まずはロングトーンをしっかり行いました。
音が出しにくい基本の音階(B♭~B♭)より上や下の音を吹く時は、1つの音を何度も吹いて、まずは口の形や息を入れる方向などを研究し、楽器がなる音を体に覚えさせました。
その後、タンギングやスラーは遅いテンポから行い、ちゃんと音が粒になって聞こえるようになったら、テンポを上げるようにしました。
テンポをキープする為には、メトロノームの音をイヤホンで聞いて、体に覚えさしたり、頭で考えるのではなく、体でリズムを刻むように練習しました。
ケース3(25歳・女性・経験年数:3年)
●どんな悩みがあったのか
私がチューバを吹いているときの練習の壁はロングトーンが続かないことでした。
特に、低音域のロングトーン(B♭・Cあたり)は高い音よりも肺活量が必要だったので、苦戦しました。
吹奏楽全体での練習をしていてもチューバの音が弱いと音楽全体のバランスが不安定となってしまうこともあり、注意を受けることが多々ありました。何とか8拍続いても最後の7.8拍目はギリギリ繋がっていて、音程が高く上擦り息絶えるというイメージです。
●その悩みをどうやって克服したのか
全体練習では音を鳴らせと注意されましたが、音を鳴らしても最後まで続かないので、まずは8拍続かせることを目標に、個人練習で音量をコントロールしてロングトーンの練習にあたりました。
続くようになってきたら少しずつ音量を大きくしていきます。
また、大音量で4拍鳴らすという練習も行いました。
この二つの練習を続けることにより、次第に8拍ロングトーンを吹き切るための息が吸えるようになり、音も大きく鳴らせるようになりました。
吹奏楽の中で、チューバは2~3本で、全体の音を支えなければならいので、音量を求められるバンドも多いと思います。
変に力が入って、音がつぶれたり、低い音が割れたり、非常に繊細な楽器でもありますね。
低い音が出にくいのは、最初は必ずある事なので、正しい呼吸法でしっかりとロングトーンすることが大切ですね。
もちろんアタック、コア、リリースの意識は非常に重要になります。
3人の方も最初の音を出すところで躓いてますし、それだけ音を出すのが難しい楽器なんですね。
是非参考にしてみてください。
チューバ初心者の練習方法と悩み・解決方法まとめ
今回は、チューバ初心者の練習方法、チューバ特有の悩みとその解決方法をまとめました。
バンド全体を支えるチューバは、音の立ち上がりから、音の質、粒の均一さが本当に繊細に求められる楽器です。
チューバが上手なバンドは、どんな曲を演奏しても本当にきれいに聞こえますし、とにかく高音楽器が生きます。
ソロやメロディーが輝けるのは、チューバあってのものですね^^
それ位の意識をもってしっかりと練習していけば大丈夫だと思います。