吹奏楽団でトロンボーンを始めたけれど、中々きれいな音が出ない、スライドが難しい・・・
そんな、悩めるトロンボーン奏者のために
トロンボーン初心者はどんな練習をすれば上達するの?
トロンボーン経験者が悩んだ事とその克服法
について、経験者の方にインタビューしてきました。
トロンボーン奏者は、基本耳が良い人が多いイメージです。
音楽の指導が上手な人もトロンボーン奏者が多いですね。
これからトロンボーンを始める方にとって役に立つ練習法や悩みの解決になると思いますので楽しみにしてくださいね。
トロンボーン初心者はどんな練習をすればいいの?
トロンボーンは、吹奏楽の中で中音域のパートを担当します。
基本ヘ音記号の楽譜を演奏しますが、テノール記号の楽譜も出てきます。
なんと言っても、他の楽器のようにキーやピストンがなく、管をスライドさせ音を変えるので、耳でその音をピンポイントに吹き分ける必要があります。
なので、他の楽器よりも、和音の知識もつきますし、倍音を意識できるようになります。
運指に頼って音を出していると、その音が合っているのか、間違っているのか分からない人が多いです。
その点、トロンボーン奏者は、微妙なさじ加減で音を合わせることができるのです。
それでは、そんなトロンボーンが、上達する為にはどんな練習をやればいいのでしょうか?
トロンボーン経験者の方に質問してきましたので紹介します。
ケース1(49歳・女性・経験年数:20年)
ロングトーンFドア(下)からFドア8拍
教則本使用してレガート他タンニング(60~80)位で行う。
最近は通勤途中の車のなかでバジングするとかしてます。
所属団体の演奏会近くになるとチューニングb♭からの高音域のロングトーンを行いますが、学生時代は低音域専門だったので4拍のばすのは難しいです。
週末土曜日しか練習できないので個人練習30分取れればよい方です。
後は次回演奏会の曲の個人練習で30分。時間が取れれば練習用ミュートつけてよくて1時間です
ケース2(30代・女性・経験年数:8年)
腹式呼吸10分
メトロノームをつけて、8拍吐いて8拍吸うなど呼吸を意識。
バジィング マウスピースだけの音だし 5分
唇をやわらかくしたり、マウスピースだけで音階を鳴らしたり、タンギングをして、口の形を作った
ロングトーン 20分
いろんな音階で8拍吹いて4拍休む繰り返した
音階練習 20分
2音ずつ上がって下がってという音階練習をいろんな調で繰り返した。スライディング技術と間の音を入れない練習を含む。
タンギング20分
1小説を4分音符、8分音符、16分音符、32分音符...と
繰り返し、130くらいのテンポまであげていく
ケース3(30代前半・女性・経験年数:11年)
ピアノを使って、マウスピースでのバズィング練習 テンポ60。
全調ロングトーン8拍 テンポ60。
スライド全ポジジョンでリップスラーを数パターン テンポ60。
タンギング練習 4分音符、8分音符、3連符、16分音符 テンポ60。
アタック練習、B♭音階をテンポ60~120。
半音階練習、音程を耳で意識しながらテンポ60ぐらいで。
同時指導してもらっていた先生から教わった難しいリップスラーをテンポ60ぐらいで出来なくても毎日続けてました。
ケース4(40代後半・男性・経験年数:30年)
ウォームアップとしてロングトーンとリップスラーを行っていました。
ロングトーンは長く吹くのではなくて、自分のイメージした音が出るように心がけます。
密度の濃い、重い、太い、遠くまで届く音を意識しました。
プロの人のCDをいっぱい買ってお気に入りの人の音の真似をするようにしました。
その後はリップスラーで音域を広げていきます。
その時も音のイメージが崩れないようにすることがポイントです。
これらの練習は30~40分くらいやります。
ケース5(30代前半・男性・経験年数:18年)
ロングトーンを半音階で20分程度。
拍数やダイナミックは様々。フォルテシモとピアニッシモ、クレッシェンド、デクレッシェンドはよくやりました。
その後リップスラーを20分程。
金管楽器はリップスラー重視すべきと教わっていました。
ゆっくりなテンポから始め、徐々に早いテンポでやってきました。
タンギングなどのアーティキュレーションの練習、和音などハーモニー練習もやりました。
よく鍵盤を鳴らしながら音程をとるようにしていました。
こうしてみてみると、他の楽器の方の練習にはない、鍵盤で音を取りながら確認していくという人もいらっしゃいます。
経験年数が長い人ほど、ロングトーン・リップスラーの重要性を感じていらっしゃると思います。
この中にも吹奏楽指導者の方がいらっしゃいますが、やはり、基礎でいかに考えながら吹くかが重要になってくるのではないでしょうか。
トロンボーン経験者が悩んだ事とその克服法
ケース1(49歳・女性・経験年数:20年)
●どんな悩みがあったのか
ハイトーンの練習が一番きつい。音程が安定しない。
合奏中でも度々指導受けますのでロングトーンやってもこればかりはなんとかならないかなぁと思う日々です。
後体力的にきついのもありますが…。
後リップスラーで上がるときも中々上手くならないので、改善したいけどどうやっていいのかわからずじまいで、そのうちレッスン受けようかと思っています。
高音域で音もつぶれやすいのも気にはなるが、やはり音程&音の響きが気になります。
●その悩みをどうやって克服したのか
今だ改善できないので、再度先生にきちんと見てもらい問題点を出してもらって、自分なりに改善方法を探していかないと思いますし、周囲の人の練習方法等参考にしながら、日々精進するしかないかなと思います。
低音域と同じような音の響きになるよう無理しない音量で高音域のロングトーンを重点に練習励むのと基礎体力低下及び老眼が進んでいるので楽譜が見辛くなってきてるので、そちらの改善等も努力していかないと、所属団体のメンバーの平均年齢も上がってきてるので、色々努力したいです。
ケース2(30代・女性・経験年数:8年)
●どんな悩みがあったのか
スライディングしたときに間の音が入ってしまうことが多く、トロンボーンならではの悩みでした。
あとは最初にチューニングして合わせておいても、途中で口の形で音を微妙に変えてしまう癖をつけてしまったので、その場しのぎでなんとかしてしまっていて、毎回ピッチが安定させることが出来なかった。
ハイC以上の高音が出ず、窮屈になると喉がしまってしまって、ますます出来ないという悪循環で、スタミナももたなくなってしまっていた。
●その悩みをどうやって克服したのか
素早くスライドさせることを意識して、間の音が必要な時と必要じゃないときの区別を意識するようにした。
チューニングをめんどくさがらずにすることや、0ポジションだけじゃなくて、各ボジションでもチューニングを心がけ、スライドを動かしてもピッチが固定させられるようにした。
高音は疲れているときにあえて練習するようにし、喉を締まらせないことや口の形、息のスピードをあげることを意識して練習するように、演奏方法を見直した。
ケース3(30代前半・女性・経験年数:11年)
●どんな悩みがあったのか
ハイトーンがどうしても出せない時。特に曲の中で出てくる音は出ない時、苦戦しました。
テンポの早い曲でのタンギングやポジショニングの遅れが出た時。
初見での合奏練習。
コラールなどの和音練習で自分の音のピッチが合わない時。
全調のロングトーン練習でスタミナが足りず、最後では音のハリがなく力のない音になってしまう時。
リップスラーを滑らかに出来ず、タンギングして音を出してしまった時。
ブレスコントロールがうまくできず、音量が出ない時。
●その悩みをどうやって克服したのか
様々なリップスラーを練習して唇の柔軟性を良くしようとしました。
練習本にのっている基本的なものから先生に教わった難しいものまで様々でした。
あと同じくリップスラーですが、マウスピースのみでピアノを使って音をとりながら行いました。
ピアノを使うことで音のイメージを体に覚えさせ、マウスピースでも出るようにしました。
あとは音階練習で息の使い方やアンブシュアを覚えました。
あとはスライドなのでグリッサンドで少ししたの音からハイトーンまで上がる練習。
ケース4(40代後半・男性・経験年数:30年)
●どんな悩みがあったのか
理想の音がわからなかったことです。
吹奏楽やオーケストラでのコンサートを見に行くと、どうしても単体の音がわからないので「目指す音」を探すのに苦労しました。
CDも良いのですが、できれば一人で演奏しているコンサート等に出向いて「音」と「雰囲気」を体で感じることが大事かと思いました。
独創のコンサートを見ると曲に応じて楽器の上げ下げ等のテクニックも知ることができ、それをイメージ(まね)しての練習をしました。
●その悩みをどうやって克服したのか
プロの人の音を聞くこと(CDでも良いですができれば生の音)が一番自分を変えたと思います。
できればですが、自分の師匠のような先輩がいると成長が早いです。
先輩の吹き方を真似するだけではなくて、先輩と自分の違いを常に考えて、違いがなくなるような練習方法を考えてみたり、時には先輩に直接聞くことで大きな成長ができると思います。
先輩がいない場合はプロの先生の教室に通うことも良い選択だと思います。
吹奏楽部では顧問の先生や外部から来る先生に問い合わせると良いと思います。
ケース5(30代前半・男性・経験年数:18年)
●どんな悩みがあったのか
早いテンポでのリップスラーやスケールに手こずりました。
スライドが正しいポジションに短時間で移動できないこともでしたが、口と息のタイミングがしっかり合わないことが手こずった原因だと思います。
音が出たとしてもぐちゃっとした音であったり、音程が変だったりしました。
変な音が出てしまうのをどうにかしたいと頭では考えていても、なかなか治りませんでした。
また楽器の特性上響きにくい音もありました。その音をしっかり出す練習もかなり苦戦しました。
●その悩みをどうやって克服したのか
スローテンポから始め、徐々にテンポアップしていきました。
最初は早くやろうとして唇に力がかなり入っていたと思います。
しかし力を抜くことを意識した上で、楽にこなせるよう意識しながら練習しました。
時間はかなりかかりましたが、何度も行うことで早いテンポでも行えるようになりました。
また音色についてはプロの演奏をたくさん聞く努力をしました。そしてその音を常にイメージして、基礎練習するようにしていました。
そうすることで、徐々に良い音が出るようになったと思います。
やはりトロンボーンの経験者の方の悩みは、ピッチ関係が多いですよね。
それだけ、音程や和音にシビアに向き合わないといけない楽器だという事ですね。
沢山生の音に触れることはもちろん、自分で聞いた音を再現できるように日々の練習の際に音をイメージできるようにするのが最善の策ですね。
トロンボーン奏者は、和音がすごく大切ですので、もし複数人で練習できる環境があれば、和音の練習も取り入れてみると良いですね。
トロンボーン初心者の練習方法と悩み・解決方法まとめ
今回は、トロンボーンの練習方法、トロンボーン特有の悩みとその解決方法をまとめました。
トロンボーンは、吹奏楽の中で一番音にうるさいパートだと思ってます。
トランペットと、トロンボーンのソリなんか最高ですが、中音域のハーモニーが曲を支配するのがたまらなくかっこいいと思っています。
だからこそ正しいピッチをつかむ練習をしっかりと行うことが大切ですね。