吹奏楽を始めたのは良いけど、クラリネットを吹くのは初めてで、どんな練習をやったら良いのか、すでに壁にぶつかってしまって、どう乗り越えたらいいのか分からない。
そんなあなたのために、今回はクラリネットに特化した練習について書いていきます。
●どんな練習をどれくらい行っていたのか?
●どんな壁にぶつかったのか?
●壁をどうやって乗り越えたのか?
について書きました。
少しでも悩みが解決できればと思います。
クラリネット初心者の頃どんな練習をどれ位をやっていたのか
早速、クラリネット奏者の方数名に、クラリネット初心者の頃どんな練習をしていたのかを聞いてみました。
ケース1 20代後半・女性 クラリネット経験年数5年
・ロングトーンB♭・C・E♭・F・A♭各12拍、8拍、4拍、2拍
・ロングトーン低音2拍+レジスターキーを押した音6拍
・ロングトーン半音階
・ロングトーンD8拍
・タンギング4分音符、8音符、3連符、16部音符
テンポ180くらいまで
・3Dハンドブック指の練習1ページずつ
・全音階のスケール練習
・ハーモニー練習
・基礎練習曲
ロングトーンは全部行うのではなく、交互に組み合わせて毎日10分程度は行っていました。タンギングはテンポ180まで練習していましたが、基本その時演奏している曲の+10を意識し行っていました。どの音階の曲でもすぐ弾けるようにスケール練習もおこなっていました。
タンギング180までってかなりのストイックな練習ですね^^
ダブル、トリプル位のタンギングもマスターしていかないと厳しいテンポですね。
スケールや音階の練習を行う時、吹奏楽であれば、♭系の音階をメインに練習しておくと曲にとっつきやすくなりますね。
最低、B♭・C・E♭・F・A♭辺りは、間違わずに吹けるようになれればいいですね。
クラリネットで言うと#2つ(inC)~♭2つ(inA♭)までですね。
ケース2 20代前半・女性 楽器経験年数5年
組み立てる際に、まずはマウスピースとタルだけをつなげた状態で、120にメトロノームをセットします。
そして、タンギング練習を5分ほど行いました。
4分音符・8分音符・16分音符のテンポを各8回ずつ行うだけの肩慣らしだったのでこれは5分ほどで終わります。
毎日の基礎練習は、B♭~Aスケールからランダムに選び、ロングトーン8拍・10拍・12拍をメトロノームで60のテンポで1回ずつ。
また、同スケールからランダムでタンギングを120・160のテンポで行っていました。
タンギングはスタッカート気味のものと長めのものを各2セットずつ。
基礎練習の所用時間は約30分でした。
こちらの方も、スケールと、タンギング、ロングトーンがメインですね。
もちろん、ロングトーンは必須です。
しかし、無意味に音を伸ばすのは考え物で、アタック・コア・リリースをしっかり意識して安定した音を出すことが重要になります。
コアの部分は特に、カステラみたいなまっすぐぶれない音を作りましょう。
また、筋トレなどしてる学校もあるようですが、ほぼ必要ありません。
使う筋肉は、楽器を吹いてつけていくようにしましょう。
音を安定させるためには、体幹鍛えた方が良いと思います。
正しい姿勢を崩さずに吹ければ、音の質が飛躍的に伸びます。
クラリネットを吹いていてどんな壁に当たるのか?
次に、クラリネットを吹いてる時にどんな壁にぶつかるのでしょうか。
最初の音が出るまでに非常に苦労した記憶がありますし、音を太くするのにも苦労しました。
その他、クラリネット吹きの皆さんは、どんな壁にあたったのでしょうか?
・タンギングの際発音がバビブベボ様になり音色がしっかりと響かない潰れた音になってしまっていました。テンポがはやくダブルタンギングが要求される場面で音が潰れていたことが多いです。
・マーチングバンドでクラリネットをしていたため、音量が常に要求され大きい音への対応が難しかったです。慣れていない頃はffの音量で音が割れていました。
・クラリネット特有の深みのある柔らかい音を出すのにとても苦戦していました。特に音量を大きくしながら音色を保つのが難しかったです。
演奏曲の中に少しのソロパートがあり、誰が演奏するかをテストで決めることになりました。
1度落ちたらその後のソロパートがある曲が決定してもテストせずに演奏させてもらえなかったことです。
少人数のアンサンブルにもソロパートが落ちた時点で候補から外されてしまいました。
ソロパート担当の人が休みの時に代役で演奏出来るくらいのレベルでした。
前もこの人だったから次もこの人に…と私には期待されてなかったことが辛かったです。
低音から高音に上がるとき、高音から低音に下がるときリードをうまく響かせられず、苦労しました。高音に上がる場合は、成功率が高いのですが、高音からの低音が難しかったです。
ロングトーンでも低音をだし続けるのが苦手で息が続きにくく、息を吐きながら鼻で息継ぎするのもうまくいかず、いつも泣きそうでした。
裏メロディーで半音ばかり速いテンポでつづくとき、半音キーの操作が左手だけうまくいかず、せっかくの裏メロディーがかっこよく演奏できず悔しかったです。
ゆったりとした曲の時に緊張によって音が揺れてしまうことが気になり悩みとなりました。同時にビブラートにも苦戦しました。ソロパートがあったので、緊張も通常より増して音がブレやすくなってしまいました。
練習では上手くできても全体練習のときにチューナーをつけていれば音のブレがすぐにわかり、焦ってまた揺れてしまうことも初めは多くありました。ビブラートと音のブレは全く違うので喉と呼吸の使い方にはかなり苦戦してました。
コンクールなどは、他の人との競争にもなりますが、ソロで緊張したり、実力が発揮できないなどの壁が多いですね^^;
それでは、どうやってこの方たちが壁を乗り越えていったのでしょうか?
クラリネットの壁をどうやって超えたのか?
それでは早速、
・ロングトーンをするとアンブシュアをつくる際の筋肉が鍛えられるため、拍数を変えながら10分程度は毎日ロングトーンを行うようにしていました。演奏の基本はアンブシュアであるため、鏡で確認しながらおこなっていました。
・タンギングの発音を意識しながらタンギング練習を行っていました。余計な雑音が入らず音を潰さないよう意識するために携帯電話で録音し自分の音を確認していました。
・音量を変えてロングトーンをし、楽器への息のスピードや入れ方を練習しました。12拍8拍4拍と楽器への息の入れ方を変える練習をすることで、単発でいきなりのffに対応できるようにしていました。
・喉を開け演奏する練習をしました。鏡でアンブシュアと喉があいているかを確認しながら練習し、時折携帯電話で自分の音を録音し試行錯誤していました。
全体練習で楽器の練習をするのはもちろん、家にも持ち帰って練習の続きをしました。
当たり前のことかもしれませんが、みんなよりも少しでも多く練習するようにしました。
ソロパート担当の人が休みの時は代役で演奏するので、担当の人より上手いんじゃないかなと思ってもらえるようにアピールしながら演奏しました。
それを1年くらい続けていたらソロパートのある曲が決定した時に、テストなしで担当に抜擢され頑張って良かったなと思いました。
低音から高音、高音から低音の音を出すとき、まずはマウスピースにあてる口の形を意識しました。
次に息のスピードを意識しました。
高い音は唇を軽く締めて早く吹き、低い音は口腔内を広くしてリードが振動できるように唇を少し緩め吐く息をゆっくり目で吹きました。
唇と口腔内の筋肉覚えさせるために低いドから高いド、低いレから高いレといったように低い音階から順に練習して、何も考えなくてもできるようになるまで時間を見つけては練習しました。
息継ぎは卒業するまで上手くいきませんでしたが、苦しそうな音を出しながら鼻で息継ぎをするところまではいけました。とにかくロングトーン、特に低音でやり続けることを意識して練習しました。
左手のキー操作もとにかく指に筋肉が付くように学生の頃は休み時間やトイレの時間、自宅で御風呂に入っているときなどに左手の薬指だけを上げる練習をして居ました。はじめは出来なくても出来るまで続けました。
体が覚えるまで辛抱強く繰り返すことで耳に違和感がない程度のレベルまで乗り越えました。
とにかくロングトーンなど安定して音が出せるよう基礎練習を徹底的に行いました。(長めの拍で)
リードの厚さもたくさん吹き比べてみて1番安定しやすいものを探しました。薄すぎると音も割れやすく入る呼吸を安定させにくかったです。常にチューナーを使い、とにかく音の揺れを意識して半年練習を重ねました。あとは他にもランニングや肺活量を鍛えるため当時通っていたスイミングも多めに通い、呼吸を整えることも意識しました。
やっぱり壁を乗り越えるためには、基礎中の基礎が必要だという事が分かりますね。
もちろん、練習時間も工夫が必要ですし、限りある時間の中で、考えながら練習することが壁にぶつかった時、一番乗り越えれるんじゃないかと思います。
今考えると、なんでこんなことで悩んでたんだろうと思うのですが、その時に必死に考えて乗り越えたからそう思えるのですね。
クラリネット初心者の練習方法まとめ
今回は、クラリネット初心者のために、どんな練習をどれくらい練習していたのか。
どんな壁にぶつかって、どうやって乗り越えたのかを、仲間のクラリネット奏者にも聞きながらまとめました。
練習方法については、ほぼ皆さん一緒の答えで、とにかく基礎練習が一番大切です。
あとは、クラリネットは、和音楽器なので、1番から3番まででハーモニーの練習(アンサンブル)で、和音の感覚をつかむのも上達の早道だと思います。
あなたも、自分に最適な練習方法を確立してくださいね。